息子へ

父親から息子へ伝えたいことを少しづつ残したいと思います。

ゆめ

ゆめを見た。

 麻美さんの車で、ばあちゃんちへ。車を道路わきに止めてちょっとした丘の小径をのぼる。道はけものみちみたいで、草ぼうぼうだ。思っていたところに家に入る脇道がなく、しばらく歩くと丘を越えてしまい、何かの工場みたいな敷地に入ってしまった。この工場は「前にゆめに出てきたところだな。」と思う。廃墟みたいでかっこいい。

 工場を抜けると家があって、裏口から入るとばあちゃんちだった。仏間は以前なかったガラス戸で仕切られている。そのガラスは昔の「型ガラス」で、見たこともない模様がキラキラしている。中には知らないおばさん(親戚らしい)がいて、ここに住むことになったという。

 

 寮みたいなところに住んでいる。部屋は5階だ。1階に降りてまた部屋に行こうと思って上ると部屋に行けない。部屋に行くにはそのためだけの階段が別にあるのだ。

 

 人のゆめの話を聞かされても退屈だろう。何がどうおもしろいのかさっぱりわからない。本人もわかっていないのだから、他人がわかるはずもない。せいぜい夢判断する心理学者のつもりになって、「これは何かから生まれ変わろうとする欲求だな。」とか「幸運の兆し有り。」とか頭の中で考えていると、それなりにおもしろいかもよ。

 ゆめに出てくる空間の美しさ、おもしろさは、普段考えようと思ってもとても思いつかない。登場する知らない人物の複雑なキャラクターや、自分との関係性も、想像を超えている。ゆめが自分の脳の記憶の整理だとすれば、自分の想像力をはるかに超えるビジョンは出てこないんじゃないかなあ。自分のではない、どこか違う場所にあるパソコンにアクセスして情報をダウンロードしているような。日本人共通のスーパーコンピューターとかがあって、パスワードを知っている人だけがアクセスできる。その先にはアジア共通コンピューター、世界共通、地球共通、宇宙共通・・・

 

2022年4月8日